「憑いてますか」 (講談社 池田理美原作)
1994.8.1-14 夏公演
ニッポン放送開局40周年記念ミュージカル  博品館劇場 27回公演
 
幼なじみの“よーにーちゃん”と信じている人気俳優、広田陽一を生で見たいと彼の所属事務所のタレントオーディションを受けた桃子。才能がないので当然、落ちるはずだったのだが、食中毒で死んだスーパー女優の霊にとり憑かれて素晴らしい演技を披露してオーディションにパス。アンナの霊は、桃子にしかみえない。アンナは女優としての仕事、そして陽一に思いを残しているため桃子に対して「あんたの体を乗っ取る」と宣言。物語はこうした前提でコメディタッチで愉快に、時にはホロ苦く展開していきます。アンナが憑いている時といない時の桃子の演技の落差に、周囲の人々はてんてこまい。自信をなくしたり、霊であるアンナとの友情に目覚めたり、陽一は瞬時に変わる桃子の性格や魅力に翻弄させられます。そして、“どうせアタシなんか”と思い続けていた桃子自身は、自分の魅力や、女優という職業のやりがいを発見していくのです。「生きるってすごいこと」なのです。